【量子コンピュータを作ろう!】(6)量子ドットに束縛された電子に静電場+電磁波を加えたときの状態遷移の計算結果(シュタルク効果+ラビ振動)

まず、次の図は量子ドットに束縛された電子に $E_x = 2\times10^{6}[{rm eV}]$ の大きさの静電場を加えてることで変化した基底状態と励起状態だよ。基底状態は電場の向きの反対側に分布が偏って、励起状態は反対に電場の向きと同じ方向に分布が偏っているね。これは電気双極子が生じていると考えられるね。基底状態と励起状態の電気双極子はそれぞれ $\boldsymbol{p}_0 = -2e \langle \tilde0|x |\tilde0\rangle >0$ と $\boldsymbol{p}_1 = -2e \langle \tilde1|x |\tilde1\rangle< 0 $ となるよ。これらの電気双極子と静電場との相互作用によって、静電エネルギーは $ \Delta U = \boldsymbol{p} \cdot \boldsymbol{E} $ だけ変化するよ。さらに、この電気双極子によって生じる電場によって、外部から基底状態と励起状態のどちらの準位に存在するか測定することができるね。

次に、この2準位間のエネルギー差($\Delta E = 0.01267 [{\rm eV}]$)に対応する光子エネルギーの電磁波(振動数:$f = 3.062 [{\rm THz}] $、波長:$\lambda = 97.90 [{\rm \mu m}] $)を入射して、2準位間のラビ振動をシミュレーションした結果を示すよ。想定通り、2準位間をsin関数的に遷移する様子が確認できたね。


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